マヤ夫の歴史総合

高校の歴史総合の授業記録です。

2022-13 帝国主義

2022.8.26

夏休みが終わり、
授業が再開されました。
でも、コロナ罹患者が増加中...。

勤務校ではペアワークもグループワークも自粛。
ペアワークに関しては「国の指針に則って」
ということで、1.5mの距離と15分未満の
ペアワークは容認ではありますが、
当分「相互説明」はなしにしました。
私なりの本来の学習活動には不可欠ですが、
仕方ありません。
代わりに「単元学習シート」を新規で
やることにしました。

「単元学習シート」とは、
教科書を読んでの「疑問点」と
授業に参加しての「新たな発見」を
その都度記録しておき、
のちのち振り返りや単元ごとの
「今日のゴール」に結び付けるもの。
自分が学習した内容を
メタ認知」するために有用です。

小テストの実施と、
これからの授業の進め方などの
話をしたので、実質30分+50分です。

では、今回の授業デザインと
問いに対する解答例を載せておきます。

今日のテーマ
帝国主義は世界をどのように変えたのだろうか?

KP写真13

P 学習の準備 Icebreaker(8分)

セシル・ローズの風刺画は何を表しているのか?
(意外とこの風刺画を見たことのない
 生徒が多く、難しかったみたい...)

銃を持ち、電線を張っている
 ⇒ 支配、情報通信網を象徴

踏んでいるのはカイロとケープタウン
 ⇒  アフリカ縦断政策の本拠地

A 内容の把握(12分)
 教科書を読み、重要点に下線をひく
 疑問点を見つけ「単元学習シート」に記入
 (授業を通じて疑問点を解決)

B 内容の理解(10分+25分)
帝国主義
 由来:古代共和政ローマインペリウム
 定義:1870頃から欧米列強が軍備をもとに、
     資源や市場を求めて植民地を形成
    → 列強各国が利潤を追求し
       世界を再分割を正当化

ベルリン会議(1884~85)
  ベルリンはどこの都市?
  ビスマルクドイツ)が呼びかけ
  アフリカ分割(植民地化)のルール
  を決めるため列強を集めた国際会議

問い
 アフリカでどこが植民地化されたのか?
 英:アフリカ縦断政策
    カイロ―ケープタウン
 仏:アフリカ横断政策
    ジブチ―アフリカ西部
  → ファショダで衝突
    (仏が英に妥協)
 独立を維持した国
 ・イベリア(libertyが国名の由来)
 ・エチオピアのみ


◎南・東南アジアの植民地化
 ムガル帝国に英が介入
 ・シパーヒーの蜂起
  新式銃にヒンドゥーイスラームが反発
  牛と豚の潤滑油が軍事蜂起の原因
 ・ムガル皇帝が滅亡しインド帝国成立
  英のヴィクトリア女王がインド皇帝を兼務
  (事実上の英国支配)

問い
 東南アジアではどこが植民地化されたのか?

 タイが英・仏の緩衝地帯となり、
 学校教育開始や奴隷制度廃止など近代化を進める
  → タイだけが独立を維持
 英:ビルマ(現ミャンマー)、シンガポールなど
 仏:ベトナムラオスカンボジアなど
 蘭:ジャワなど島嶼部(現インドネシア


質問コーナー
 疑問点が解決されていない点を解説
 (ほとんど質問が出なかったので、
 「問いの表現」中に教員が「単元学習シート」
  の疑問点を拾って、板書で回答する形。
  必要に応じて生徒がメモ)

C 問いの表現(22分)
 「テーマへのアプローチ」 (1)解答の作成 ⇒ (2)解答の共有

 欧米諸国はなぜ植民地化を進めたのだろうか? 
  Keyword:製品市場、労働力、
        国際競争、植民地の正当化(☛資料5, 8)

製品市場を確保し、国際競争に勝つために、列強は植民地を獲得し、それぞれの住民を労働力とした。この帝国主義は植民地の内戦を防いだり(資料5)、劣等人種を文明化するために(資料8)必要だと植民地の正当化をした。

 植民地化されたアジアの社会は、どのように変わったのだろうか? 
  Keyword:海外市場向け商品、強制栽培制度(☛資料12)
        移民労働力、モノカルチャー

強制栽培制度によって、ジャワ島では米田の一部をコーヒーやサトウキビの栽培にあてさせ、マレー半島では移民労働力を使って錫やゴムを生産させるなど、海外市場向け商品を生産させた。これらのことは、植民地をモノカルチャー化させる問題を生み出した。

R 振り返り(3分)
 新たな学び、重要だと感じたこと
 →「単元学習シート」に記入

G 今日のゴール
 帝国主義は世界をどのように変えたのだろうか?
  ※後日まとめ授業にて