2022.8.26
夏休みが終わり、
授業が再開されました。
でも、コロナ罹患者が増加中...。
勤務校ではペアワークもグループワークも自粛。
ペアワークに関しては「国の指針に則って」
ということで、1.5mの距離と15分未満の
ペアワークは容認ではありますが、
当分「相互説明」はなしにしました。
私なりの本来の学習活動には不可欠ですが、
仕方ありません。
代わりに「単元学習シート」を新規で
やることにしました。
「単元学習シート」とは、
教科書を読んでの「疑問点」と
授業に参加しての「新たな発見」を
その都度記録しておき、
のちのち振り返りや単元ごとの
「今日のゴール」に結び付けるもの。
自分が学習した内容を
「メタ認知」するために有用です。
小テストの実施と、
これからの授業の進め方などの
話をしたので、実質30分+50分です。
では、今回の授業デザインと
問いに対する解答例を載せておきます。
今日のテーマ
帝国主義は世界をどのように変えたのだろうか?
P 学習の準備 Icebreaker(8分)
セシル・ローズの風刺画は何を表しているのか?
(意外とこの風刺画を見たことのない
生徒が多く、難しかったみたい...)
銃を持ち、電線を張っている
⇒ 支配、情報通信網を象徴
踏んでいるのはカイロとケープタウン
⇒ アフリカ縦断政策の本拠地
A 内容の把握(12分)
教科書を読み、重要点に下線をひく
疑問点を見つけ「単元学習シート」に記入
(授業を通じて疑問点を解決)
B 内容の理解(10分+25分)
◎帝国主義
由来:古代共和政ローマのインペリウム
定義:1870頃から欧米列強が軍備をもとに、
資源や市場を求めて植民地を形成
→ 列強各国が利潤を追求し
世界を再分割を正当化
・ベルリン会議(1884~85)
ベルリンはどこの都市?
ビスマルク(ドイツ)が呼びかけ
アフリカ分割(植民地化)のルール
を決めるため列強を集めた国際会議
問い
アフリカでどこが植民地化されたのか?
英:アフリカ縦断政策
カイロ―ケープタウン
仏:アフリカ横断政策
ジブチ―アフリカ西部
→ ファショダで衝突
(仏が英に妥協)
独立を維持した国
・イベリア(libertyが国名の由来)
・エチオピアのみ
◎南・東南アジアの植民地化
ムガル帝国に英が介入
・シパーヒーの蜂起
新式銃にヒンドゥーとイスラームが反発
牛と豚の潤滑油が軍事蜂起の原因
・ムガル皇帝が滅亡しインド帝国成立
英のヴィクトリア女王がインド皇帝を兼務
(事実上の英国支配)
問い
東南アジアではどこが植民地化されたのか?
タイが英・仏の緩衝地帯となり、
学校教育開始や奴隷制度廃止など近代化を進める
→ タイだけが独立を維持
英:ビルマ(現ミャンマー)、シンガポールなど
仏:ベトナム・ラオス・カンボジアなど
蘭:ジャワなど島嶼部(現インドネシア)
質問コーナー
疑問点が解決されていない点を解説
(ほとんど質問が出なかったので、
「問いの表現」中に教員が「単元学習シート」
の疑問点を拾って、板書で回答する形。
必要に応じて生徒がメモ)
C 問いの表現(22分)
「テーマへのアプローチ」 (1)解答の作成 ⇒ (2)解答の共有
欧米諸国はなぜ植民地化を進めたのだろうか?
Keyword:製品市場、労働力、
国際競争、植民地の正当化(☛資料5, 8)
製品市場を確保し、国際競争に勝つために、列強は植民地を獲得し、それぞれの住民を労働力とした。この帝国主義は植民地の内戦を防いだり(資料5)、劣等人種を文明化するために(資料8)必要だと植民地の正当化をした。
植民地化されたアジアの社会は、どのように変わったのだろうか?
Keyword:海外市場向け商品、強制栽培制度(☛資料12)
移民労働力、モノカルチャー
強制栽培制度によって、ジャワ島では米田の一部をコーヒーやサトウキビの栽培にあてさせ、マレー半島では移民労働力を使って錫やゴムを生産させるなど、海外市場向け商品を生産させた。これらのことは、植民地をモノカルチャー化させる問題を生み出した。
R 振り返り(3分)
新たな学び、重要だと感じたこと
→「単元学習シート」に記入
G 今日のゴール
帝国主義は世界をどのように変えたのだろうか?
※後日まとめ授業にて