マヤ夫の歴史総合

高校の歴史総合の授業記録です。

2022-28 冷戦の開始と東アジア

2022.12.20

遅れているクラスが追いついたので、
アップしました。復習してくださいね。

KP29写真

今日のテーマ
 西陣営の分断はどのように進んだのだろうか?

[本日の授業の流れ]
 教科書精読→相互説明・疑問点共有→ポイント解説→ワーク→ゴール
P.対話の準備:興味の喚起と頭の体操
A.探究の入口:Critical Reading 重要点や疑問点の掘り出し
B.知識の習得:解説を聴いて知識を共有し、いくつかの問いを通じてペアワーク
C.技能の習得:資料を読み取りペアで共有
G.今日のゴール:個人の思考力を活用し、最後に全体で共有

A 探究の入口 Critical Reading
〇教科書熟読
 「3国関係の変容」
 「世界の二極化」
 「冷戦から熱戦へ」
  テーマに即したところは重要点
  どうして?なぜ?と思うところは疑問点
  きちんと違うラインを引いているか?
〇疑問点抽出
  教科書にラインを引き、「探究出発シート」にメモ

B 知識の習得 ポイント解説
◎3国関係の変容
ポーランドの状況
 スターリン(ソ):影響下に置きたい!
   ⇔ トルーマン(米):自由選挙の実施
 ▶▶「鉄のカーテン
 チャーチル(前英首相)が米のフルトンで演説した言葉
 シュチェチン~トリエステ ☛ 地図で確認
〇冷戦 ☛ p.144 年表は便利!
 資本主義陣営(西側)
 ・トルーマン=ドクトリン
  (封じ込め政策:1947)
 ・マーシャル=プラン
  (経済復興援助計画:1947)
    VS
 社会主義陣営(東側) 
 ・コミンフォルム
 (共産党情報局:1947)
 ・コメコン
 (経済相互援助会議:1949)

◎世界の二極化
ベルリン封鎖(1948)
 米英仏による通貨改革に対し、
 西ベルリンの交通路を遮断 ☛ 地図11で確認
  → 米による「大空輸作戦」 
〇軍事同盟
 ・北大西洋条約機構NATO:1949) 
 ・東欧相互援助条約(ワルシャワ条約機構:1955)

◎冷戦から熱戦へ
〇ドイツ
ベルリン封鎖後に分断(1949)
 → ドイツ連邦共和国(西独)
   ドイツ民主共和国(東独)
〇中国
共産党が内戦に勝利
 → 中華人民共和国(1949)
   中ソ友好同盟相互援助条約を締結(1950)
・国民党が台湾へ逃れる
 → 中華民国政府を維持
〇朝鮮
北緯38度線を境に分割占領
 → 朝鮮民主主義人民共和国大韓民国(1948)
朝鮮戦争(1950~53)
 北朝鮮が韓国に侵攻
 → 板門店休戦協定(1953) ☛ 地図18で確認

C 技能の習得
  Q:トルーマン=ドクトリンで、東側陣営をどのように表現しているだろうか?
 ⇒ 資料6 p.145
 少数者の意志による強制だとし、
  ・恐怖と圧制
  ・報道の統制
  ・形だけの選挙
  ・自由の抑圧 と非難した。


Q:風刺画「信じるか、鞭打たれるか?」はどのような状況を描いているのか?
 ⇒ 資料7 p.145
・先生はスターリン
 トルーマン共産主義を封じ込めようとし、
 無防備な北朝鮮に攻撃していると説明。 
・生徒は東側諸国(ポーランド東ドイツチェコブルガリア
 その説明を素直に聞いている。

G 思考・判断・表現力 = 知識の活用
 今日のゴール
 西陣営の分断はどのように進んだのだろうか?
   Keyword:鉄のカーテントルーマン、経済援助、軍事同盟、ドイツ、朝鮮

チャーチルが「鉄のカーテン」と演説したことを契機に冷戦が起こった。西側では、アメリカ大統領のトルーマントルーマン=ドクトリンを発して東側の共産主義を封じ込め、フランスの国務長官マーシャルはマーシャル=プランで西側諸国への経済援助を発表した。これに対し、東側は共産党を広めるためにコミンフォルム共産党情報局)を設置し、コメコンを結成して東側諸国に経済援助を行った。やがて、両陣営とも西側が1949年にNATO北大西洋条約機構)を、東側が1955年にワルシャワ条約機構WTO)を設立し、互いの軍事同盟を成立させた。こうした冷戦は、ドイツにおけるベルリン封鎖東西ドイツ両国の成立や、北緯38度線を境にして北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)と大韓民国の分離独立につながり、のちに朝鮮戦争が勃発するなど、国家分裂を引き起こした